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試食申込み

静岡県遠州地域の約 700の事業所を対象に、毎日約 4,000食の給食弁当を提供している株式会社はまちゅうのDX (デジタル・トランスフォーメーション) の取り組みがハンパない。
この弁当給食業界といえば、今でも電話、FAXを使って、人力で受注処理をしているところがほとんどだ。そんな中、同社は業界を先駆けて、自社独自でウェブ注文システムを開発した。
ウェブ注文システムは 2つある。個々人がスマホで気軽に注文できる「お弁当倶楽部」と、担当者の方がWEB上でまとめて注文できるシステム「Hamachu.Biz (はまちゅうドットビズ)」だ。
これらの導入により、全体お客様の 90%に当たる約 630事業所が、ウェブ注文に切り替わった。
株式会社はまぞうの佐野が、塚田社長を訪問。業界に先駆けて新しいDXに積極的に取り組む塚田社長に「DX経営のポイント」を伺った。

異なる2つのウェブ注文サービスを提供中。

ういう経緯で2つのウェブ注文システムを自社開発されることになったのですか?

初、2019年に「お弁当倶楽部」をリリースしました。
これは、シンプルに、一人一人が個別で自分のスマホで予約・注文できる仕組みでした。
でも会社にはスマホ操作ができる人もいれば、苦手な人もいるんですよね…また、人数が多くいる企業や工場の事業所さんにとっては、注文や集計が楽ではないという課題も残ったんですよね。
そうした課題を踏まえて、新たに開発を進めたのが「Hamachu.Biz(はまちゅうドットビズ)」です。2022年5月にサービスを開始しました。

「Hamachu.Biz」シンプルな画面で使い易い

「Hamachu.Biz」シンプルな画面で使い易い

「お弁当倶楽部」と「Hamachu.Biz」、それぞれのサービスの内容、特徴を教えてください。

お弁当倶楽部」は事業所の個人それぞれの方がスマホで簡単に注文できます。多くのメニューから選べる点が楽しみだと思います。
「Hamachu.Biz」は総務部などの担当者の方が、管理者用IDで注文システムにログインして、パソコンからまとめて注文できます。
各利用者ごとの集計がし易いのも総務担当の方にはとても喜んでいただいています。
今後必須となる「電子請求書」の発行も画面からできます。
2つサービスがあることで、利用する事業者さんの選択肢が広がったのが良かったと思います。

などの担当者の方が、管理者用IDで注文システムにログインして、パソコンからまとめて注文できます。
各利用者ごとの集計がし易いのも総務担当の方にはとても喜んでいただいています。
今後必須となる「電子請求書」の発行も画面からできます。
2つサービスがあることで、利用する事業者さんの選択肢が広がったのが良かったと思います。

「お弁当倶楽部」はスマホベース。自分で選べる楽しみがある。

「お弁当倶楽部」はスマホベース。
自分で選べる楽しみがある。

顧客の9割がこのサービスに切り替えた理由は…

ういうサービスはリリースしてもなかなか導入促進するのが正直、難しいものです。
現在の利用・導入状況を教えてください。

では、得意先事業所の9割以上が、どちらかの仕組みを使って、ウェブで注文してくれています。
導入後、3ヶ月ほどで導入、切り替えは進みました。
普通、給食事業者の朝には、お客さんからの注文の電話がひっきりなしに鳴るものですが、ウチの朝は静かなものです。
弊社の事務所を見た同業者の皆さんは、一様に「給食会社の事務所じゃないみたい!」と言いますよ。()
以前は8時過ぎから9時半ごろまでに120本くらいの電話がかかって来て、3・4人のスタッフが毎朝対応していたんですがね…
給食会社ではFAXでも、メールでも、電話でも注文が入ってきて、1つずつデータをエントリーするという「非効率でストレスのかかる作業」が行われています。
数字の聞き間違い、見間違い、入力間違いに気を付けての作業はやはりスタッフのストレスが溜まるんですよね。
注文を受けるスタッフの心理的なストレスが軽減できた点も大きかったです。

数字の聞き間違い、見間違い、入力間違いに気を付けての作業はやはりスタッフのストレスが溜まるんですよね。
注文を受けるスタッフの心理的なストレスが軽減できた点も大きかったです。

ごいですね、それは随分、効率化が進みましたね。
そこまで導入を進められたポイントはどこにありましたか?

一番は他社との差別化です。私たちの商品は100%の皆様に支持いただくのはとても難しいものです。
味の好み、好き嫌い、食事をとる際の環境は千差万別で、それを満足するのには単純に自分たちが最良と思うものであっても不可能です。
他社にないシステム(お弁当倶楽部)を利用して、弁当給食に選択の利便性を加味したら、これはあったほうが便利だというのはどなたでも理解いただけます。
先に話した通りいくら便利でもお客様がためらっては仕方ありません。
それでもお客様に喜んでいただける、会社のスタッフも便利だと実感できるため機能やご利用対象を絞り込んだ「Hamachu.Biz」をリリースしました。

「Hamachu.Biz」をお客様にご紹介するにあたり、私たちはスタッフ全員でまずは自分たちのサービスを実体験してみました。
初期登録、ログイン、注文、パスワード変更…
スタッフ全員が「簡単に注文できるじゃん、これって。」、「みんな楽になるよね。」、そう思えたのがお客様に伝わって普及が促されたのだと思います。
また、弊社の配送スタッフは、それ以前に配送一覧表を廃止してWEBシステムでタブレットを使用するのが日常でしたから、アレルギーは最小でしたので、簡単だって捉えられたと思います。

員一人一人の意識を変えられた点がポイントですね。
なぜこのようなDXを進めていくことにしたのですか?

社はお客様に楽しいお昼休みを提供、演出したい、それをミッションに掲げている以上、
お客様がランチを楽しく選んで、簡単に、確実に注文できることは大きな要素です。
そこを突き詰めて行ったら、今の情報化社会では自ずとDXの取り組みなんです。

口頭やりとりによるミスが減り、ご利用者の満足度も高まった。

口頭やりとりによるミスが減り、
ご利用者の満足度も高まった。

給食事業者にとってのDXとはどうあるべきなのか。

際に弁当給食業界のDXの取り組み状況はどのような感じですか?

だまだ「業界」は遅れていると思います。
それでいて、業界としてはまだまだDX活用の余地はいろいろなところにあります。
私たちは、受注システムの開発だけでなく、配達員向けに配達システムのタブレット活用・導入も早かったし、
経営のムダを減らすために、また自社サービスの付加価値を高めるために、DXを活用するのは当然時代の流れだと思うんですよね。
また、や弊社のBCP (事業継続計画) を考えた時に、もはやネット環境が100%維持されないと事業にならない、サービスが提供できなくなってしまうんですよね。
そこで、安定的なネットワークの維持、ネットワークの冗長化のため、このたび「スターリンク」(アメリカのスペースX社が提供する、通信衛星を使ったインターネットアクセスサービス)の導入もこの夏、実施しました。災害などでネット回線が使えなくなったとしても、サーバーと事務所とはInternetで繋がれます。

それらの結果、経営の効率化と「働き方改革」が進んだと思います。有給消化率も高まりましたよ。

Internetで繋がれます。

それらの結果、経営の効率化と「働き方改革」が進んだと思います。有給消化率も高まりましたよ。

田社長にとって「DX経営の本質」はどこにあると思いますか?

そにない、独自の魅力を作るためのDXでないといけないと思います。
業界全体、これ以上の「安売り戦略」は進められないはずです。
各社が付加価値を競って、もう少し値段を上げられなくては「業界」の発展は見込めません。
そのための一つの方法として、これからもどんどん「DX経営」を進めていかないと明るい明日はないでしょう。

日はお忙しい中、ありがとうございました。
中小企業のDXは待ったなし、だと思います。
はまちゅうさんの取り組み、塚田社長の考え方をぜひ多くの経営者の皆さんに参考にしていただきたいと思います。

給食事業者にとってのDXとはどうあるべきなのか。